ブラックシャドウは、頑張り過ぎている私を教えてくれる

とらこの所属する無料お悩み相談『ココロノマルシェ』より。
もみさんのご相談に回答させていただきました。


いつも読ませていただいています。後輩指導に悩んでいる社会人3年目です。
私自身について簡単に
・教職、3年目
・学級担任の主担任
・はっきりとした言い方をするところがあり、敵を作ってしまうこともある
・体育会系
後輩は
・新卒1年目、同性
・同じ学級のサブ担任
・運動部ではあったが、ザ体育会系ではない
はじめての直属の後輩として最初は可愛がってあげたい気持ちが強かったんです。
気にかけて声をかけたり、仕事はまずは1人でもできるような前年のデータがあるものからお願いしたりとしていました。自分が新卒の時に仕事を任されると居場所があると感じて嬉しかったので、少しでも彼女が「これは自分の仕事」と思えるものを用意しようとしました。
まず年度始めから1ヶ月して他の先生に呼び止められました。「彼女、隣のクラスの先生に相談してるぞ?大丈夫か?」というのです。隣のクラスの先生は私が新卒の時の指導教員。体育会系の私にとっては絶対に頭が上がらない先生でした。
分かってやっているのか違うのか、定かではありませんでしたが、なぜ私が頼んだ仕事を私を飛び越えて他の先生に相談するのか?モヤモヤとはしましたが教えてくれた先生からも励まされ、事前に丁寧な説明をしてから任せるように変えました。
しかし、いくら丁寧に伝えようとしても私もはじめての後輩指導で要領がつかめず意図しない事をしてくれる場合がしばしば、、、ただ大きな失敗!生徒に影響!てことでは無いんです。
例えば、私は主担任で仕事も後輩よりは多いのですが、生徒掌握を私に頼んできたので別の指導に入るのか?と思いきや職員室で空き時間をとっている とか採用試験期間にはたくさん空き時間をもらっていたにもかかわらず、任されていた仕事を進めていなかったのでほとんど他の先生たちがやる(でも自分は仕事いっぱいで時間なくて、、、と言ってました)といった具合です。
後輩に指導しながらも、学級の雰囲気に影響を与えたくない気持ちがあるんですがどうしても許せない気持ちもあります。無理にコミュニケーションをとる→イライラする→指導→言っても伝わらない→イライラする→学級の雰囲気が気になる→最初にもどる といった感じで悪循環です。また、1日に何度も注意するのは両方消耗するので、気になったことを飲み込むことも多いのです。
それもイライラの原因になっていることは分かっているので言えばいいのでは?と思うのですが、他の先生や生徒の前で細かいことを伝えるってこっちが悪者になりません?
「返事もっと明るくしないと」とか「時間は守らなきゃ」とかいちいち言う先輩なんて下手すれば「オツボネ」って言われますよね、、、。
愚痴についてもおんなじで話してみるとすごく小さいことだったりするんですね。
気のない返事とか、ちっとも気が利かないとか、日常的だから許せないんですが他人からみたらそんなこと?て思われてすぐイビるやつ、てなりそうで。
そしてたかだか3年目なんですよね、私も。だから自分を棚にあげてるんじゃないか、と後輩に嫌悪感を持つたびに自分もそうなんじゃないかと苦しくなるんです。
もともと私も誰かの悪口より良い話やおもしろエピソードでお酒を飲みたい口なので、このイライラがいつも不完全燃焼しているのです。最近はちりつもの火種のせいで、後輩が褒められたり笑っていたりするだけで心がスン、、、となる始末です。
合わないんだ、と残り数ヶ月は諦めることもできますが、3月に「まぁ、いっぱしになったかな、あなたも私も。」とできればいいたいんです。ぜひアドバイスお願いします。

ココロノマルシェ
https://cocoro-marche.com/archives/4269

もみさん、こんにちは。とらこと申します。
ご相談読ませていただきました。

社会人3年目にして素晴らしい責任感。
正直者で真っすぐで、信頼の厚い方なんだろうなと思います。
ちゃんと自分を俯瞰して見れているのも本当に素晴らしい。
敵をつくってしまうこともあるとのことですが、デキル上司からは相当愛されるタイプだと思いますよ。

既に愛情深くて熱い先生と予測できますが、この先もっともっと生徒から慕われて信用される先生になられるんだろうなと思います(^^)

そんなわけで、まずお伝えしたいのは、もみさんは人一倍周りを見られる人で、人一倍気遣い屋さんで、人一倍頑張り屋さんであるということを理解してほしいということ。

それって、ものすごーい才能です。
そして、その才能を持つ方はなかなかいないです。

きっと今回の件に限らす、これまでにも「何故できないんだろう?」「何故わからないんだろう?」と疑問に思うことが多かったと思います。それ故、周りと摩擦が起きてしまうことがあったんじゃないかな?と推測します。

ショックかもしれないですが、その周りの人たちって、実はできない…わからないんですよね。
もみさんにとって当たり前のことが、彼らには備わっていないんですね。

恐らく後輩ちゃんもその一人。
もみさんが体操の金メダル選手だとしたら、後輩ちゃんは体操教室に通い始めた小学生くらいに思ってしまってもいいかもしれません。
そんなレベルの違う子に ”後方2回宙返り2回ひねり” を教えなければならないのは、やっぱりすごく大変だしもどかしいですよね。イライラしてしまう気持ちも本当によくわかります。

でも、自分が他の人たちにはない才能をもってしまったと理解するだけで、少しだけラクになるんじゃないかなと思います。

そして、その才能はどこから生まれたの?と深堀りするならば、元々の素質に加え、これまでの環境や生き方が影響していると思います。

ご相談文を読む限り、誰かを背負って生きてきたような…常に周りの空気を読んでいたような…認めてもらうために頑張り続けてきたような…いつも何かと闘ってきたような…いつも ”正しさ” を抱えていたような…

そしてご相談文の中にあるように

「〇〇しないと」「〇〇しなきゃ」

と、常に自分に厳しくしてきたような…

そんな背景が垣間見れるのです。

そして、そんなもみさんの 責任感、明るく前向き、頑張り屋さん、正義感 という才能を活かすために、自分と真逆なことをする刺客も多数いたのではないでしょうか。

刺客とは、心理学では ”ブラックシャドウ” と呼ばれます。
自分が禁止していること、こうなりたくないと思うことを平気でやっちゃう人たちです。

空気を読まず直属の上司をスルーして別の上司に相談しちゃう。
無責任に人に任せて空き時間をとって休んじゃう。
頑張ればできるはずなのに、言い訳して他の先生に迷惑かけちゃう。
返事しない。明るくない。時間守らない。

もしかしたら、後輩ちゃんも刺客の一人なのかもしれませんね。
そら、 こうなりたくない人物を目の前にしたら、嫌悪感MAXになるだろうしイライラしますよね。

なんで招かれざるコヤツ等が登場するのかというと「もっと才能を使おうとしているときに現れる」というのが私の考えです。

もっと簡単に言うと、頑張り過ぎているとき。

過去に、敵をつくってしまった時のことを思い浮かべてみると、無理し過ぎていたり頑張り過ぎていたり、ちょっとキャパオーバーだった記憶はないですか?

例えば、もみさんの素敵な才能のひとつ ”責任感” ですが、自分には十分備わっていると思っていれば、必要な時に必要なだけ使うことができるし、生活に支障もないはずです。

でも「まだ足りない!もっと使わなきゃ!」と思っていると、そこを満たしたり刺激してくれる存在や問題をつくり出してしまうことがあるんですね。(または呼び寄せる。)

人に任せて空き時間をとっちゃう後輩が目の前に現れたら、もちろん責任感は刺激されるし、そこに構うことで満たせることにもなるわけです。

我が師匠(根本裕幸先生)の言う『すべては自作自演』とはそういうことで『投影の法則』とか『引き寄せの法則』も同じことだと思います。

面白いことに、この世界は全てエネルギーでできているので、引き合ったり離れたり、そんな摩訶不思議なことが起きてしまうんですね。

もちろん、もみさんが悪いわけではありません!

何故なら、才能というのは素晴らしい長所なのだし「もっと使わなきゃ!」と思わざるを得なかった理由があるからです。

さっきお伝えした、もみさんのこれまでの生き方。それが関係しているのだろうと思います。

誰かを背負って生きてきたような…常に周りの空気を読んでいたような…認めてもらうために頑張り続けてきたような…いつも何かと闘ってきたような…いつも ”正しさ” を抱えていたような…

自分以外の何者かに向けて 「もっと使わなきゃ!」 をしてきてしまったんじゃないかな?そんな風に感じます。

そして、自分以外の何者かに向けて何もしていない人が憎たらしくなるはずです。

だからね、逆に言うと、

もっと自分にエネルギーを向けていいんだよ。
もっともっと自分の才能を認めていいんだよ。
もう既にたくさん持っているよ。

これ以上、誰かの為に使わなくていいんだよ。

もう一人の自分が、そんなことを教えてくれているのかもしれないですよね。

そして、それを心底理解することができたら、不思議と事態も変わっていくはずです。

🐯

長々とお伝えさせていただきましたが、実は私もまったく同じ経験をしてまして、ぶっちゃけもみさんの気持ちが痛いほどよくわかるんです。

少し前のご相談で、そんな心境を語っていますので、ご興味があれば見てみてください。

こちらは「めちゃくちゃ怖い上司がいる」という、私たちからすると刺客の立場にいる方のご相談なんですけどね(^^;

動画でお話している後輩くんは、さっきお伝えしたように自分が禁止していることを平気でやっちゃう子でした。衝動に駆られるような嫌悪感やイライラも日々感じていたのです。

もみさんは私よりもっと後輩ちゃんのことを考えられていて、優しく接していらっしゃると思うのですが、当時の私はイライラを抑えられず、かなり出しちゃっていたんですね。

案の定、意地悪なお局様に成り上がってしまい、あと少しで色んな人を巻き込んで大問題になっていたと思います。

なので、

>> 他の先生や生徒の前で細かいことを伝えるってこっちが悪者になりません?「返事もっと明るくしないと」とか「時間は守らなきゃ」とかいちいち言う先輩なんて下手すれば「オツボネ」って言われますよね、、、。

まさに、そうなのです!
だから、もみさんスゲー!と正直感じているのですよ。恐らく私より一回りも二回りもお若いと思うのですが、状況をしっかり把握されて、ちゃんとわかってる。
イライラを抑圧するのは、ものすごくしんどいことだとは思いますが、その対応には正直頭が下がります。

でもね、出てきた感情はやっぱり解放させてあげないと、どんどん悪循環になってデッドゾーンに陥ってしまうので、できるだけ抑えつけないで出し切ることをお勧めします。

もみさんのように周りの空気をめっちゃ読めちゃう才能を持つ方は、心から信頼できる友人や先輩や、時にはカウンセラーさんに聞いてもらったりがいいかもしれません*

感情の解放の大切さや、デッドゾーンについて、少し前にこんな記事を書きました。

自分のことなんてみんな棚に上げるものです。むしろ棚にあげないと何も言えないし生きていけません。ある人は『不完全こそ人間』と言います。

そう、不完全こそ人間なんですよ(^^)

🐯

そして、大問題になる寸前の状況をどうやって免れたかですが、動画では「自分が反省して180度接し方を変えた」と言っていますが、実はそれだけでなく、匙を投げた んです。

それまで「彼の成長のために」とか「彼の将来のために」とか「会社のために」とか、そんなことを思ってアレコレ伝えてみたり、時には試練を与えてみたり、試行錯誤しながら対応していたのですが、もみさんの後輩ちゃん同様、気持ち良いくらい裏切ってくれるので、もう全部やめたんですよね。

彼の成長も将来もどうでもいい。会社のためになろうがなるまいがどうでもいい。
無理して教えなくていい。自分でやっちゃえばいい。聞いてこなくても気にしない。自分で失敗して気付けばいい。コミュニケーションも無理矢理とる必要もない。

と、諦めたんです。

同時に、確固たる自分の責任感も手放しました。(こう見えて、自己診断テスト「ストレングスファインダー」の2位は ”責任感” なのです)

そうしたら本当に不思議ですよね。
みるみると彼の仕事っぷりが変わってきて、生活態度も見違えるように良くなって、今では私よりミスが無くて逆に助けられています。笑

相変わらず彼の成長や将来も会社もどうでもいいと思っているし、必要最低限のコミュニケーションは取っていないのですが色々とうまく回っているのです。イライラも全く無くなってしまいました。

そして、これまた不思議なもので「あぁ、実は密かに努力していたんだなぁ」とか「ここが不器用で伝わりづらいんだなぁ」とか、以前は見えていなかった彼の違う一面を見る機会も増えたんですよね。

そのおかげで、自分が責任感だと思っていたものは、実は彼にとってはただのお節介だったことを知り、実は彼のことを全く信用していなかったことにも気付かされました。

そう、自分のキャパを超えた責任感はお節介だったんです。
”親子の擦れ違い” ってこんな感じなんだなぁと、余計なことまで知った始末です。

なのでね、もみさんも才能の使い過ぎをやめてみると、意外と良い結果を得られるかもしれません。

そしてね、使い過ぎをやめても、周りの評価は全く変わりません(^^)
もみさんなら尚更だと思います。

あなたは既に頑張ってる。
発揮できてる。
充分やれてる。

そんな風に自分でも思ってみてください。

🐯

何かの理由で、大人びてしまったもみさん。

自分が擦り切れるほど、誰かに尽くす必要はないんです。
もっとラクしていいんです。

後輩も他の先生や学級や学校も、背負う必要はないんですよ。

今直ぐそんな風に思えないかもしれないけれど、そう思っていい世界があることを少しでも知ってもらえたらいいなと思います。

お正月休み、ひとまずは荷物を降ろして、ゆっくりたっぷり自分の癒しに時間を使ってくださいね。

ちなみに、時間があれば、師匠の新刊のコチラも読んでいただきたいです!(私もまだ途中ですが読んでます^^)

とらこより、以上です。

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