2022年6月公開のロードムービーです。
公式サイトより
あらすじ
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。
ソン・ガンホさんが好きすぎるとらこ。舞台挨拶の当選に外れ悲しさ全開でしたが、久しぶりに映画館で映画を観てきました (·∀·)
はっきり言って「ソンガンホが出ていれば内容なんてどうでもいい」と思っているんですけど、あっぱれ是枝監督という個人的な感想です。
とは言え、彼の全部描かない演出は賛否両論なところもありまして、私も見終わった後に様々な考察コメントを読んでしまったのは正直な話。
それでもね、やっぱり良かったです。
どこがどう良かったか説明するのは難しいのだけれど、ただただ、なんか良かった。
ついでに言うと、キャストが全員最高に良かった。
ちょうどさっき、テレビのインタビューで是枝監督が「いつも何かメッセージを伝えようと思って作っていないけど、ふと赤ちゃんの泣き声が聞こえた時に、少しだけ違う感じに聞こえたらいいなと思う」なんてことを言っていたのだけど、公式サイトにはこんなことが書かれていました。
この世に生まれなければ良かった命など存在しないと自分は彼らに言い切れるのか?お前なんか自分なんか生まれなければ良かったという内外の声に立ち向かって強く生きようとしているあの子どもたちに向けて、自分はどんな映画を提示することが出来るだろう。作品作りの中心にあったのは常にこの問いだった。
ネタバレ(※注意!)になるのですが、映画の中で赤ちゃんの母親が、ひょんなことで出会って旅をする仲間1人1人に「生まれてくれてきてくれてありがとう」と伝えるシーンがあるんですよね。
でね、一緒にいる可愛い男の子が、すぐさま「ソヨンも生まれてきてくれてありがとう」と返すんです。(この時のガンホ様の演技がまた…;▽;)
誰一人、わんわん泣いたりするわけではないんですけど、それがまた良くってね。
映画を観ながら、私の周りにいる色々な人たちの顔が自然に思い浮かんできました。
ちなみに今では様々な場所で、カウンセリングのグループワークが行われていると思いますが、例えば30人の参加者全員に「生まれてきてくれてありがとう」と次々に言われるワークなんてあったら凄いんじゃないかと、ふと思ってしまった。
ありがとうの言葉もエネルギーになるし、会場はきっととんでもなくキラキラと煌めいた「場」になるに違いない。
刑務所の中でこんなワークをやったらどうなるんだろう?・・・なんて。
ワークに参加しなくたって、自分で自分に言ってあげるだけでもエネルギーが動く気がするよ。
・・・試しに今、自分を抱きしめながら言ってみたら、かなり良かった (꒪ȏ꒪)✨
自分の声がすごく耳に深~く残って、ずぅぅぅぅんと良い感じに入ってきた。(語彙力w)
さ、みんなも今直ぐやってみよう!
🐯
>>この世に生まれなければ良かった命など存在しないと自分は彼らに言い切れるのか?
と、この映画を通して監督は自分に問うていたそうですが、それは私にもわかりません。
でもね、この世に生まれたいと思って生まれた ということはわかるんです。
それが例え誰からも望まれていなかったとしても、自分で望んでここに生まれた。そう思うんです。
自分が父親の精子と母親の卵子によってつくられた存在だと思っていると、誰からも望まれないと感じたら苦しいと思う。自分という存在が ”肉体” であると思うと、かたちのある愛情が欲しくて苦しいと思う。
だけど、自分というものが精子や卵子になる前から存在していて、肉体というアバターとして生まれてきたとしたら、どうだろう?違う次元の世界から、自分のお母さんを見つけて「この人にしよう」と決めて降りてきたとしたら、どうだろう?
と、最近、胎内記憶のメルマガを読んでいる私は思うのでした (●⁰8⁰●)
でも、実際にヒプノセラピーを受けたとき、私は見てしまったんですよね。
大きなモクモクした雲の上から、悲しそうな若い姿のお母さんを。
そして「あ、この人にしよ」って思ったの。
🐯
血のつながらない人たちが、ひとつの家族をつくっていく。
これは是枝監督の「万引き家族」にも通ずるモチーフですね。
そういえば以前のブログで感想を書いたなぁ。
人間の本質には「共同体」を求める本能がある
と「万引き家族」を作った時に、是枝監督は言っていたみたい。
ここからいきなり話が飛びますが、人って誰かと繋がりたいという本能が備わっていますよね。やっぱり1人では生きていけない。
どんなに引きこもっていても、ネットで誰かと繋がったり、誰かの書いた本を読んだり、(たぶん)しているのだと思うし、友達や恋人が欲しいと望んだり、結婚や赤ちゃんを望んだりする。
1人で起業しようとしても、必ず考えるのはお客様のことだし、そもそもお客様がいないと仕事にならない。こうしてブログを書いたり動画で発信したりするのも、誰かに届けたくて、誰かに知ってもらいたくて、誰かと繋がりたくてやっているんだと思う。
何もしないでただ1人で過ごしている時も、必ず誰かしらのことを思い浮かべてる。
それって結局、無意識に繋がりを求めているわけであって、どんなに人が嫌いだと言っても、知らず知らずのうちに『共同体』に向かってしまう生き物なんだって思うんですね。
それは、巷で言われている ”ワンネス” の概念であり、先日『宇宙の創造原理の鋳型』のお話を書いたのだけど、要は ”始まりはひとつ” ということを本能的にわかっているんじゃないかと思うんです。
だからなに?
と言われれば、あ、すいません。って答えるだけなんですけどw、なんだか最近この世界のエネルギーのようなものが変わってきてて、どんどん色んな境界線が無くなってきている気がするんですよね~。
そもそも「ベイビーブローカー」って、日韓の合同チームで作り上げた映画だそうです。これまでに日本の超有名監督が、全員外国人キャストで作った映画なんてある?(あったらごめんなさい!)やんや言う人もいるかもしれないけど、私とらこはとっても素敵なことだと思ったんですよね。
是枝監督は、インタビュー取材でこんなことを語っています。
「日韓関係は政治的にぎくしゃくすることもあるが、『Decision to Leave』のパク・チャヌク監督とも話していたのですが、これをきっかけに、もっと日韓のスタッフとかキャストとかの交流が進むといいねと。お互いにお互いから学ぶことがたくさんあるだろうし、そこからまた新しいものも生まれてくるだろうから、そういうことが進むといいなと思います。『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノさんと話していても、日本の役者で撮りたいという気持ちをすごく感じるし、いろんな役者さんの中でもおそらく韓国の監督たちとやってみたいと思っている人はすごく多いと思います。そういうことが進んでいくのを僕はとてもいいことだと思います」
わー夢あるー(*°∀°)☆★
是非そんな映画界を見てみたい。
そんな世界を見てみたい。
でも、もうそっちの方向に進み始めている気がします(o´艸`)
🐯
ソンガンホファンの私が「ベイビーブローカー」を観て改めて思ったこと。
ソンガンホは口が超可愛い❤
最後にソンガンホさん主演のおすすめ映画(だいたいみんな知ってる)をご紹介します。
▼『弁護人』
最後の方の裁判シーンで「国家とは」を語る(叫ぶ?)ガンホ様の迫真の演技に注目(動画はムビコレ様より)
▼『観相師』
お偉いさんに仕えることが決まって弟分とコソコソしながら喜ぶシーンが大好き(動画はシネマトゥディ様より)
▼『グエムル』
いろんな意味でファザコンにはたまらない映画。弁護士や顔相師と同じ俳優さんとは思えない演技がすごすぎる。(動画は花伝亭仁消の「名画座すぷろけっと」様より)
ほかにももちろん『パラサイト半地下の家族』『タクシー運転手』とか、どれも素晴らしい作品ばかりです!
ソンガンホさん、是枝監督、生まれてきてくれてありがとう!!!!!
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